サハシ特殊鋼株式会社
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摩擦圧接とは、異種材料(ステンレスと軟鋼、ステンレスと銅など)、異形の材料(太さの異なる)を高速で擦り合わせ、そのとき生じる摩擦熱によって部材を軟化させると同時に圧力を加えて接合する技術です。
径ちがいの接合、異種金属の接合など適材を適所に使用しますので、材料の節約、機械加工時間の短縮など合理化が実現します。
摩擦圧接を利用する効果
- 材料費のコストダウン
同材質、異径材摩擦圧接することにより、丸棒の削り出しより材料費、加工費の節約ができる。異種金属を摩擦圧接することにより、必要な部分のみ高価な材料を使用し、その他は安価な材料に置き換えることができる
【例】SUS304+S45C - 加工費のメリット
一体加工が非常に困難な形状の製品の場合、二つに分割し一部を加工後摩擦圧接する事により加工が簡単にできる。難切削材等の深穴加工をしたい時、その部分をパイプに置き換え摩擦圧接をする事ができる。 - 異種金属接合のメリット
従来不可能とされていた金属を摩擦圧接する事により、新商品の開発が可能になります。
【例】AL+Cu、AL+SUS304 - 従来、水中ポンプ用モニターは羽根の取り付け軸部分が腐食されるため図1のようなステンレス一体丸棒からシャフトを機械加工により製品化してきました。しかし図2のように摩擦圧接を利用することにより必要な部分のみ高価な材料(SUS304)を使い、水に触れない所は安価な材料を使うことにより材料費のコストダウンばかりではなく機械加工費の低減をすることが出来ます。
【図1】従来品 SUS304丸棒からの削り出し

【図2】摩擦圧接による材料費のコストダウン
摩擦圧接の技術
- 機械的性質
- 素材を迅速に圧接しますので、熱の影響部が少なく、材料によっては、圧接したままで、あるいは簡単な熱処理を行うことにより母材と同様の機械的性質が得られます。
- 引っ張り強度
- 摩擦圧接されたままの圧接部の引張り強度は、母材よりも強くなり、圧接面では破断せず、母材の部分で破断します。 また、摩擦圧接後、焼きナラシした場合には、引張り強度、伸びともに母材とほぼ同じになり、試験片は中央部で破断します。
焼きナラシ材および摩擦圧接材の引張り試験結果 (S20C、S45C同種圧接材) (試験片:JIS4号)
| 試験片 | 降伏点 | 引張り強さ | 伸び | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 番号 | 処理 | S20C | S45C | S20C | S45C | S20C | S45C |
| No.1 | 焼きナラシ (摩擦圧接しない材料) |
32.4 | 44 | 48.7 | 70.2 | 39 | 29 |
| No.2 | 焼きナラシ →摩擦圧接 |
31.8 | 41 | 48.5 | 71.2 | 40 | 28 |
| No.3 | 焼きナラシ →摩擦圧接 →焼きナラシ |
32.1 | 43.8 | 48.8 | 70.7 | 39 | 29 |
摩擦圧接の原理
金属を摩擦熱により塑性変形しやすくし表面原子同士を引力の強く作用する距離まで圧縮し、また高温にすることにより拡散をしやすくし両者の相乗効果により接合する。 (摩擦温度1300度にて回転を急停止させ、圧力をかけて接合させる)
摩擦圧接の特徴
- アーク溶接のように開先を取り肉盛りするのと違い、母材端面をこすり合わせることにより発生する熱で接合する為、中心部まで均一な強度が得られる
- 融解接合のように、溶接温度が融点以上にならないので熱影響が少なく、割れや変形の少ない安定した強度が得られる
- アーク溶接や抵抗熔接では不可能な異種金属の接合ができる
代表的な材料の組合せ
摩擦圧接適用上の制約
- 少なくとも素材の一方は丸棒、パイプ等円形断面でなければ成らない。
(あいて形状により六角及び四角でも可能) - 極端に厚みの薄いパイプは不可能です。(厚みが径の3%以下では困難)
- 圧接時の強大な回転トルクに耐えるチヤツキングができない場合は不可。
(径に対して長さが極端に短い物、但し圧接断面より径が2倍以上有れば可)
例:φ50*10+φ50*100は不可 φ50*10+φ25*100は可
加工能力
- 丸棒接合断面
- φ6〜φ85 (最大で材質S45Cの場合φ350*150とφ85*3000を圧接する時接合断面はφ85となり可能です。)
(注) 材質により最大接合断面積は変わります。 - パイプ
- 最大φ154*12tこれ以下の径でも厚さにより断面積が丸棒換算でφ85以下でなければ不可。
- 長さ
- 圧接後全長3000mmまで(回転側はφ80以下は長さ300mmまでφ80以上φ350は長さ150mmまで
- 芯振れ
- 黒皮丸棒は約1mm(ダイヤル読み)、LA加工品は製品の大きさにもよりますが約0.2〜0.5mm
摩擦圧接の作業工程
摩擦圧接法は他の溶接法に比べて溶接棒やハンダ付けなどは全く不要です。電気やガス代などについても、圧接用機械駆動用モータの電力のみで、ランニングコストの面で、ガス溶接の1/30、フラッシュバッド溶接の1/10、電気溶接の1/5程度になります。
摩擦圧接法を取り入れることにより素材形状や製造工程の簡略化、省力化、コストダウンなど、総合的なメリットを生み出しています。


